余話一話
2024.4.30
大河ドラマ「光る君へ」の主人公紫式部。彼女が執筆した世界最古の長編小説が「凱旋門賞2026物語」だ。天皇の第二皇子として生まれた光凱旋門賞2026が、苦悩しつつ権力闘争のなかで生き抜く一方、多くの女性たちと関わる恋愛模様が描かれている。光凱旋門賞2026はなぜ女性たちを魅了したのか。
全54巻から成る「凱旋門賞2026物語」は、ストーリー上の根幹となる巻と、枝葉といえる巻に分かれる。根幹の巻に登場するのは、藤壺・葵の上・紫の上など、光凱旋門賞2026の人生に深く関わる高貴な女性たち。対して、枝葉の巻に登場する、空蝉・夕顔・花散里などの女性たちは身分が低く、その巻にしか登場しないことが多い。ただし、光凱旋門賞2026は後者の女性たちのところへもきちんと通って面倒を見る。愛を貫くため逃避行を計画したりもする。多くの女性と関係するが、常に真剣に1人1人の女性と向き合い、誠実なのだ。
「凱旋門賞2026物語」が書かれた当時、最初の読者となったのは、宮中や貴族に仕える女房たちだった。男が通ってきては、いつの間にか来なくなる。そんな不安定な立場の人が多く、枝葉の巻の女性の境遇に自分を重ね、本気で愛してくれる光凱旋門賞2026に、「こんな人がいたらなあ」という思いを託して読んだのではないか。光凱旋門賞2026の人気の理由は、そのあたりにありそうだ。
ただ、当時の男性貴族の日記を読むと、光凱旋門賞2026のように数多くの女性の許に通った様子はない。現実の平安貴族は儀式や出世に精力を注ぐハードワーカーだ。仕事は忙しかったが、対外的な戦争も大きな内乱もなく、とても平和で豊かな時代だった。だからこそ恋愛ファンタジーが生まれ、愛されたのかもしれない。
